東京藝術大学を目指す!

よく観察して物と物の関係を見抜いていく

モチーフを写実的に描けるようになることに留まらず、自然、人工、柔らかい、硬い、軽い、重い…などの物の特性や成り立ちを理解したり、 物と物の関係を見抜いて表現していく練習を繰り返していきます。課題では何種類かのモチーフが配られて、透ける、映る…など何が起きているかを観察して構成したり、 想定で色々な状況を設定して見つけたことを描きながら、自分のやりたいことを作品にしていきます。デモや参考作品を見て表現方法を学びながら、 独自の視点や表現が出来るようにアドバイスをしていきます。

イメージを形にして人に伝える

時間や場所などをテーマにしたり、音や光などの形のないイメージをどう伝えていくかを追求していきます。特に難しいことを考えるのではなくて、 日頃から気にしていることや、再発見した内容を人に伝わる形にしていきます。最初は説明的な絵になるかもしれませんが、個々の作風を大切にしながら、 各自が気づいたことを使って見せていく面白さを探っていきます。

講習会課題の一例と講評の一部を紹介します。

課題紹介▶みかん、ナンテン、ぽち袋で「正月」のイメージを平面構成

どちらの作品もユニークでインパクトがあり、お正月らしいテーマが表現できました。物への執着心が足りなくて、その物ならではの特徴を活かした作品までは達していません。 真上からの視点でまとまっていますが動きが少なく感じます。

課題紹介▶ペットボトル、片ダン、コインチョコ、紐をモチーフに平面構成

やや硬い構成ですが、形が変形する物を上手く使って右から左への風を感じる作品になりました。少し不自然ですが片ダンの側面にピタッと乗っているコインチョコが絶妙に効いています。 手前と奥の空間が分かれてしまったのが残念です。

課題紹介▶与えられたモチーフで「ピクニック」

食材を車に見立てて、スティックの旗の立つチェックの紙袋で出来た道を進む楽しいピクニックになりました。 子どもみたいに紙をやぶいて貼った作風も明るさを引き立てましたが、構成が少し散漫になりました。

課題紹介▶与えられたモチーフで「クリスマス」

モチーフを明るく楽しく扱う人が多かった中で、この作者はムードのある大人なクリスマスの表現になりました。 光と空間が美しい作品ですが、クリスマスが終わってしまった感じに見えると少し寂しいです。

課題紹介▶与えられたモチーフで「時間」

独特な色使いで、モチーフのラーメンや卵をビニール袋に入れて長い影を落とすことで、他の作品とは全く異なる夕暮れの時間の表現ができました。 よく観察をしていますが、線描が少し簡単に見えます。

課題紹介▶花火をモチーフに「夏」のイメージ

花火の扱い方が他人と全く異なり華やかなイメージではありませんが、空気の厚みを感じる力作になりました。 赤の世界観が強烈ですが、誰もいなくなった夏の終わりを感じる作品です。

光と空間を美しく自然にとらえる

光が美しく自然に見えることを大切に、石膏像の動きや印象が合うように繰り返し練習します。デモの制作を見ながらプロセスを大切に、いい雰囲気の絵が描けるように進めます。 また他のモチーフと組み合わせて空間や質感を表現したり、受験者には構成デッサンに対応して、大きく見えて力強く描き切ったデッサンを完成していきます。 また年越しデッサン強化では静物デッサンを選択できます。芸大の入試が近付くと試験と同じ制作時間にして集中して一次のデッサン対策に入ります。

課題紹介▶洋梨、ルーズリーフ、リボン、手の構成デッサン

アングルと見せ場がわかりやすい作品で、リボンのメタリックな感じも表現できています。テーブルの設定や結びかけのリボンの状況や、 また右寄りの構成についても曖昧で説明不足なので、もっと状況をはっきり決めて描き切った方が迫力が出たと思います。

コンセプトをしっかり持って得意な方向性で立体のクオリティを上げる

粘土と紙、いろいろな素材を組み合わせた立体構成をやっていきます。工芸科では模刻を中心としたカリキュラムを繰り返します。 文章で制作コンセプトを書いていくので考え方を鍛える練習になります。自分の制作テーマを人に伝えるためには丁寧な仕事が必要不可欠ですが、 ただ綺麗に作るということではなくて、粘土や紙などが素材を超えて他の質に見えるように、イメージや状況が伝わり動きや展開の面白さが見えるまでクオリティを上げていきます。 個々の感性を大切にして、それぞれが得意な方向性を見つけていきます。

課題紹介▶「手紙」をテーマに立体構成

手紙を受け取ったポストの役割のヤギ型ロボットが自ら便りを届けに行くイメージを形にしています。とても夢があるとも言えますが様々な問題点もあります。 どんな内容にしても動きにしても、更にこだわりが見えれば作品の説得力になると思います。

課題紹介▶電球をモチーフに「柔らかい」イメージを立体構成

電球で抑えられた軽い帯状の物が浮き上がるイメージを丁寧に作っています。実際には電球そのものがそれほど重くないのでやや臨場感に欠けますが美しい形に仕上げてます。 電球とのバランスを考えて潰れている部分をもっと薄くして欲しかったです。