基礎科夏期講習会の経験者にインタビュー

基礎科の夏期講習会はどんな感じなんだろう、と初めて受講を考えている中学生、高校1、2年生は不安に思っているかもしれません。 昨年、基礎コースを受講した現在、夜間部で学ぶ先輩に様子を聞いてみましょう。

 (左)原島さん
 高校1年の4月に基礎科に入学。
 現在油絵科夜間部在籍。

 (右)斉藤さん
 高校1年の4月に基礎科に入学。
 現在デザイン科夜間部在籍。



ー原島さんは去年の夏は夏期講習会、前期と後期は基礎科、中期は油絵科をうけたんだよね。 普段は基礎科に在籍していたけど、夏期講習会を受けてみてどうでした?

原島(以下H) 疲れるし、おなかも減るし大変でした。でも、朝から描けるのは楽しいです。長時間だけど、6時間あるし、次の日もあるから作品のことをずっと考えていられる。

ーこの有色下地の作品は基礎科での課題だよね。

〈 夏期講習会 高校1.2年生基礎コース 有色下地デッサン 〉

H 最初に色の着いた下地を作ってそこにデッサンするんですけど、光の当たっている部分と影の部分を描き分けてゆくのが楽しかったし、木炭だけじゃなくてコンテを使って色を入れたりできるし、白い絵具も使ったし、いろんな画材を使えるのが面白かったです。

ー最初に夏期講習会を受けたのはいつ?

H 中2のときです。親に勧められて。

ーそのときの印象はどうでした?

H 静かだなって。みんな話さないで絵に集中してるので驚きました。あと、それまでは中学の部活で小さなクロッキー帳にしか描いたことがなかったんで、紙が大きいなって。木炭も触るのが初めてだったからこれで描けるのかな?って心配になりました。

ーその初めての木炭を使って描いたのがこのラボルトだね。

〈 夏期講習会 中学生コース 〉

H そうです。できるだけ大きく画面に入れて、って先生に言われてそんなに大きく描いたことなかったから困りました。で、周りの人たちの様子を見ながらこのくらいかな、とか。

ーけっこう調子の幅は出ているよね。

H 指やガーゼでこすって調子を出すことを教えてもらって、楽しいなって。楽しいんだけど、1日中絵を描くことなんてなかったから最初は疲れましたね。すぐ慣れましたけど。

ーあとは夏期講習会で印象に残ったことはある?

H 先生が優しいなと思いました。最初にデモンストレーションで先生が描いてくれるじゃないですか。その後画材を買いにいくんですけど、そこでも説明してくれて、また描くときに描き出し方を教えてくれて。 どうしたらいいんだろう、ってなることはなかったですね。やっぱり部活とは全然違うなと思いました。

ー講評を受けたのももちろん初めてだよね。

H 最初はいやでした。周りの人がみんな上手く見えて、その中で自分の作品がみんなに見られるから恥ずかしいんですけど、慣れるとすごく楽しい。先生も何人もいるから、けっこう先生によって言うことが違うんだな、 とか同じ作品でもいろんな見方があるんだなとか途中から講評が楽しみになりました。あ、描いてる途中で別の先生に言われたなー、とかうわー、いつも同じこと言われるなー、とか。

ー去年油絵科の講習会を受けてみようと思ったきっかけは?

H 美大にいきたいな、というのはあったんですけど、立体は苦手だなと思ってて。 中学の木版画の授業がすごくいやでした。全然思ったように彫れないので絵を描くほうに進もうと思って。

ー版画は平面だけどね。

H そうですよね。夏期講習会を受けて考えようと思いました。

ーそれで最終的に油絵科に決めたの?

H 最終的にはギリギリまで迷ってました。彫刻は基礎科でやった摸刻の体験授業がすごく楽しくて、動物の立体作品を見て彫刻科にかなり心が動いたんですけど、好きな画家もいるし見たい作品はやっぱり平面が多いので油絵科にしました。

ー油絵科の夏期講習会はどうだった?

H 浪人生もいるので上手さが違いましたね。あと、デッサンは背景を描くのでそこが自分にとっては大きな違いだったし、油絵を描くのは初めてだったけど楽しかったですね。 でも講評で順位がはっきり出るのでそれはいやだったな。今はそこも楽しいですけど。

〈 夏期講習会 油絵科 〉

ー基礎科に通っていたことでプラスになったことって何だと思いますか。

H 今、夜間部で友達と話すと、デッサンも最初から学ばなきゃいけないし、油絵も最初からのスタートだしすごく大変そうで、デッサンに関しては経験を積んでる分あんまり考え込まないでできるかな。 その点基礎科に通ってて本当によかったですね。






ー斉藤さんは夏期講習会は基礎科とデザイン科を受けたんだよね。ふり返ってどうでしたか?

斉藤(以下S) 夜間より1日の制作時間が長いので、集中力が途切れないように、最初のモチーフの印象を忘れないようにと考えながら描きました。そのことがすごく自分としてはプラスになりました。

ー1枚の作品を作る時間としては短いから一気に完成まですすめるのは集中力がいるよね。

S 周りの人の作品が目に入るので影響を受けますね。作品を同じ時間かけて描いてる訳だから、人の作品を見てあ、ずいぶん進んでるな、とかグサッときたりして。

ーそれが制作のエネルギーになればいいよね。集中しなきゃと思うもの。デザイン科のほうはどうでした?

S 最初は平面構成が終わらなかったですね。講評だけ聞かせてもらって、すごく作品が出せないのがいやだった。

ーいつからデザイン科にしようと思ったんですか?

S 夏期講習会前からですね。基礎科の先生と面談して、色々な科の話を聞いて、将来やりたいことを考えてもデザイン科が合っているなと思って。高校でも美術系の将来の仕事のこととか全然わからないんですよ。 美術部っていうか絵画工芸部に入っていたんですけど、絵はまったく描きません。デッサンとかはやらなくて籐材で骨組みを作って紙を貼って何か作るとか。基礎科で具体的に将来の仕事や大学の学部の話が聞けるのがタメになりました。

ー人を驚かせるものを作りたいって言ってたね。

S おもしろいもの作りたいっていうのが昔からあって。変な雑貨あるじゃないですか。そういうのを作りたいっていったらデザイン科だったらアイデアをどう商品にするか、っていうことが学べるよって言われて。

ー斉藤さんは基礎科に入ったのはいつ?

S 高1の春ですね。美大に行きたくて、親に相談したら調べてくれて立美がいいんじゃないって。

ー来て見てどうでした?

S まず楽しそうだなって思いました。石膏像がいっぱいあるし、ちゃんと絵を描くスペースが広くあるんだな、って。描いている人がみんな上手いのにも驚いた。

ー基礎科の講習会のことに戻るけどふり返って印象にのこったことはある?

S 有色下地の課題を制作して距離感をすごく意識するようになりました。最初は一番後ろにある麻布をガッツリ描いていたんですけど、手前に出てきて見えちゃうよ、トーンを薄くすると奥にいってくれるよ、 と言われたときにあー、なるほど、ただ同じように立体感を出せばいいんじゃないんだって気付きました。

〈 夏期講習会 高校1.2年生基礎コース 有色下地デッサン 〉

ーこの作品以降デッサンがだいぶ伸びた感じがしましたね。

S そうだといいですけど。いろいろ考えるきっかけは掴めたと思います。

〈 基礎科11月制作 〉