基礎科 デッサンのお話
基礎科 美術系受験木炭デッサン・鉛筆デッサン
基礎科では木炭デッサンと鉛筆デッサンが選択できます。
木炭デッサン
木炭デッサンは木炭を使用して木炭紙にデッサンします。木炭はすべてが芯のような画材ですので、寝かせて幅広い面を塗ることが出来ますし、斜めに削って先端エッジの部分で描けば細い線も引けます。黒もしつかり紙につきますので、大きくモチーフを捉えて描くには適した画材といえるでしょう。指やガーゼで調子を伸ばし、ハーフトーンを作ることが簡単にできます。大きく修正しながら制作を進めやすく、ガーゼで木炭を払えば、簡単に調子を修正できます。反面、調子が紙に定着しにくい面があります。消具は食パンを使用します。主に彫刻科、油絵科は木炭デッサンがメインになります。
●木炭について
No.360はヤナギの枝で柔らかく濃くバランスがよい定番。No.1500は細部を描くのに使いやすい細さ。高温で焼いたヤナギで硬さがあります。No.830はやはりヤナギで細くより柔らかい木炭です。細いもの、太いものなどいろいろ試してみましょう。
●芯抜き
木炭は芯を抜き、写真のように斜めに削って使います。
●パン
木炭紙を傷めないで消すことができます。任意の大きさにちぎって練りゴムのように軽く練って使います。使用中はビニール袋に入れ、乾燥しないように保管します。油分が少ない最も安い食パンが適しています。
鉛筆デッサン
鉛筆デッサンは鉛筆を使用して画用紙にデッサンします。鉛箪は調子の濃さによって分かれているので、5Bから4Hの濃さをすべて揃えます。メインに使うのは3Bですが、明るい部分を描くためにはH系の鉛筆が必要になってきます。いろいろな濃さの亘ねで匪子の幅を作る画材ですので、いろいろ体験しながら使い方を党えてゆきましょう。細部を描くのに適していますが、初心者のうちは薄く部分的になりがちな画材です。意脳的に黒をしつかり載せたり大きく手を動かくことが必要です。消具は練りゴムを使用します。主に日本画科、デザイン科は鉛筆デッサンがメインになります。
●鉛箪について
ステッドラーとハイユニがポピュラーですが、景初は同じメーカーで揃えます。3Bから2Hまでを多く使いますので複数捐えておきましょう。鉛筆は芯を長めに出して先を針のように尖らせます。
●練りゴム
消しゴムのように消すだけでなく、押し付けるように使って調子を弱めたり、細くシャープに消したりできます。鉛筆デッサンでも木炭デッサンでも使います。
●ガーゼ・擦筆
ガーゼは鉛筆・木炭ともにハーフトーンを作るのに使います。擦筆はガーゼと併用し、調子をこすり込んだ細部の表現に使います。No.3、4がおすすめ。
コラム:科によって異なるデッサン
デッサンと一口に言っても科によって着眼点にはそれぞれ個性があります。
その中の一例を見ていきましょう。
長い歴史の中で傾向や流行が積み重なり、現代の日本においては専攻する科によって大きく印象が異なることでよく比較されます。
こうして並べてみたときに生まれる差異は志望学部に入学するためのヒントにもなりえますので基礎科の時点でよく見比べておくと良いでしょう。
基礎科はすべての科の参考作品を閲覧することのできる唯一の科です。
今回この頁では各科一枚ずつ、合計4枚のみの紹介になってしまいましたが、タチビには豊富なデッサン作品が収蔵されていますので、気軽に講師に訪ねてみてください。
支持体による影響や、鉛筆、木炭の種類ことの使い分けテクニック、描画時に必要な道具などをわかりやすく解説します。