日本画科 合格者メッセージ
一年間の歩み 日本画科 美術系受験日本画科 合格者メッセージ
岩波春歩さん
都立国立高校
- 武蔵野美術大学 日本画科 現役合格
私が立美に入ったのは高2の冬からで、当時は部活も忙しかったこともあり、毎週日曜日に6時間だけ、基礎科に通うだけでしたが、それだけでもデッサンのデの字も知らない自分にとってはとても有意義でした。
立美は生徒と先生が関わりを持ちやすいことが大きな利点だと思っています。実技的な指導は勿論、志望校、志望学科を決める際の相談は日本画だけでなく油とデザインの先生にも伺うことが出来、それぞれの先生が自分の意を汲んだ丁寧な話をして下さったことで迷っていた志望校決めに大いに役に立ちました。
日本画の受験科に転入した後も先生方は親身に指導して下さり、それぞれ個人の課題を見出しやすいように教えて下さったように思います。背景に色鉛筆を使うことを提案して下さったのは学生講師の方でした。力加減が調整出来ず背景がとっ散らかりがちな私にとって、色鉛筆は力を強制的にセーブさせてくれる良い画材で、色鉛筆を使うようになってから自分の絵の方針が固まって来たように感じます。
しかし、冬期以降に私大対策が始まり、特に受験というものを意識するようになると、とても自分の実力が伴っていないように感じ、どうにも不安が残り、やっていることが上滑っているように感じました。というのも、それは受験が近づくにつれ、受かりたいという気持ちが強くなっていき、それ故に自分の絵を「受かる絵かどうか」という基準で見ることが多くなっていったためでした。特に私は私大対策中、「絵が人に伝わらない」ことが専らの課題でした。
しかし、本番直前の面接で、先生方にそのことを訊ねたとき、「絵が伝わらない、という課題は、もしかしたら大学でも、なんなら将来自分が絵を描くときでも課題になるのかもしれない。実際に本番で絵が伝わるかもわからないし、伝わったから良いのかどうかも、判断するのは大学だからこちら側が明確にどうとは言えない。良くも悪くも自分の実力って言うのはそのレベルなんだ。だからその判断をしっかり大学に委ねる為に受験する側が出来ることは、とにかく全力で絵を描き切ってくることだけだ。」という趣旨の言葉をもらい、これを機に何か自分の受験に対する構え方が変わったように思います。受験そのものを、より長いスパンで捉えることが出来、「頑張る。駄目ならまた次。」くらいの気持ちで受験に臨むことが出来たように思います。
試験場では緊張しましたが、おかげさまで迷いなく手を動かせたと思います。
立美に通って得た技術や、受験と絵に対する考え方は今後も一つの物差しとして残り続けると思いますし、そのような体験を受験を通して得られたことは非常に大きいと思います。改めて本当にありがとうございました。