日本画の受験の現在
東京芸術大学の出題傾向に関しては、2次試験制で1次試験が素描、2次試験で着彩が課されます。素描と着彩の両方でモチーフを自然かつ素直に表現することが求められます。1次の素描では石膏が出題されやすいですが、静物モチーフだった年もあり、何が出題されても対応できる描写力を身につけておくことが大切です。石膏に関しては、石膏単体もあればそれに布や植物などが組み合わされることもあります。2次では静物着彩が出題される傾向にあり、この課題は数人で囲むのではなく1人に対して1セットのモチーフが与えられ各自セッティングし制作します。2次に関しても、静物ではなく人物が出題された年もあるので、1次同様いかなる出題にも対応できる描写力が必要と言えるでしょう。
多摩美術大学の出題傾向に関しては、課題およびモチーフを通して自由な表現が求められます。さらに基礎であるデッサン力も問われます。こちらは芸大と違い着彩と素描の2課題セットで制作します。制作時間は両方とも1日の6時間です。着彩は人物、素描はモチーフを一人一人に配布しそれを自由に構成して描く課題が出題される傾向にありますが、異なる出題もあるので何が出題されても焦らず対応できるように幅広い課題をこなして対策をしましょう。また、様々な作家の作品や画集などをたくさん観て画面構成や表現を勉強するのも大切です。合格するには、学科成績も重要となります。
武蔵野美術大学の出題傾向に関しては、多摩美と同じく着彩、素描の2課題です。制作時間は着彩が6時間、素描が3時間です。傾向としては多摩美よりもさらに個性が重要視されます。もちろん基礎であるデッサン力は試されますが強い個性をもった受験生は評価されやすいです。入試内容は様々で、詩からの作画、静物、人物など幅広いです。出題に素直に反応し他にはない自由な発想、表現が豊かな受験生を求めているのでしょう。3時間素描は時間が短いので的確にポイントを把握し捉えましょう。多摩美同様学科成績も重要です。
日本画科の指導について
制作の方向性に偏りなくレベルの高い指導を心がけています。また、初心者からでも無理なく導入出来る個別カリキュラムも特徴の1つです。
- 東京芸大受験を基本とした「鉛筆素描/着彩写生」を中心とした授業内容。
- 私立美大に対しても、近年ますます難解になってきている課題の解読から指導。
- 「技術・感性・理論」とを偏ることなく、各人が理解・実践出来るまで指導。
- 各人の客観性を養いながら個性を歪めることのない指導を心がけています。
- 個人のスキルや状態に応じて個別カリキュラムを作成するなど柔軟に対応。
- 「構図、立体、色彩、技法、制作プロセス」などの様々なゼミを生徒のスキルに合わせて段階的に行います。
- 自然光と集中光によってモチーフが美しく感じられるアトリエ。
- 年に数回行われる芸大系静物着彩コンクールでは一人につきモチーフを1セット用意。
日本画科で使う道具
鉛筆素描
- 鉛筆(6Bから6H)
- 練り消しゴム
- クロッキー帳(木炭紙サイズ、F6サイズ)
- 木炭紙大パネル
- 測り棒
- フィクサチーフ
- ガーゼ
- デスケール
着彩写生
- 筆(天然即妙、快、平筆、彩色筆、隈取筆、狼狸面相など)
- パレット(2から3枚)
- 透明水彩絵具(60から90色)
- 不透明水彩絵具(40から60色)
- P20パネル
- A2パネル
- パケツ
- ぞうきん
- デスケール
水張り道具
- 水張りテープ
- 刷毛