デザイン・工芸科の講師紹介
講師紹介 デザイン・工芸科渡邊小尋
- 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科
受験生活を通して
私は高校3年生の春からタチビに入学し1年の浪人を経て、大学に入学しました。受験生活中、現役生の頃は良いと言われた箇所を伸ばすことを、浪人中では、絶対に途中で放り投げず根気強く継続することや、何をやるにしても1つは楽しめるポイントを探しながら新鮮な気持ちで取り組むことを意識していました。特に浪人生活の中で、目的を持って継続することが何よりも自分の力になることに気づき、辛かったり疲れていても、そこだけは曲げないようにして生活していました。
また、タチビでは、受験勉強だけに収まらない、デザインや作品を制作していく上で何が大切になってくるのか、その思考の仕方やものの見方を身につけることができました。
大学生活
視デ 1、2 年の授業では、自身の感覚・五感・体感から生まれる、あるいは日常に溢れている何かを地道に観察し、調査し、収集した上で形を作り上げていくことを繰り返します。自分自身が対象の何に惹かれたか、あなたはどう感じたかという一点をただひたすらにひとつひとつ掘り下げていきます。そして、自分が感じた魅力を他者に伝えるためにはどのような表現方法・媒体が最も適しているのかを実験や試作を重ねることで見つけていきます。
自身の想像の範疇を超えるためにも、形から入らずに観察と発見を積み重ねていくことが物を作っていく中で一番基本的でとても大切なことだなと日々実感しています。手を動かしながら様々な実験を繰り返し、それが自然と作品となっていく様はとても楽しく、新鮮です。
大学の中では、常に全く違う考えを持った学生・教授に囲まれており、沢山の刺激を浴びることができます。作るための設備も揃っています。理解を深めるための環境が揃っているので、少しでも興味を持ったことには積極的に取り組み、ひとつでも学びを得ながら自身の糧にしていくことが大切です。それが、表現力の地力とセンスや思考力を磨くことに繋がり、最終的に自分がどんなものを表現したいのかを見つけることに繋がっていくと思います。
受験生へ
人の絵や作品をたくさんたくさん観察してみてください。好きな作家さんや講師が勧めてくれるデザイナー、制作中のライバルが作っている作品、街の看板から広告まで、色々な所に必ず学びは潜んでいます。良いものをたくさん観察して、どんなものが自分は好きなのか、どこを素敵だと思うのか、好きだと思うものを自分の引き出しにどんどん蓄えてあげていってください。自分が何を好きなのか、何を作りたいのかを自身でしっかりと把握していることは受験においても、その先でも、とても大切なことだと思います。
星野ほのか
- 多摩美術大学 グラフィックデザイン学科
予備校でのこと
新しい挑戦
私は元々一般大学に通っていました。そこから立美の昼間部に通い始めたため、少し入り口の違うスタートだったかも知れません。美術のこと、デッサンや平面構成なども知らなかったため、毎日が新鮮で楽しく新しい体験でした。最初の頃はそんな気持ちで楽しく課題をしていましたが、だんだんとデッサンや課題が難しくなり悩み始めました。そんな中でも続けられたは、講師との距離が近いという立美の特徴があったからだと思っています。立美は講師と生徒の距離が近く、質問などもしやすい環境だと思います。その為、自分の考えや悩みなども相談ができて、逆に美術の先輩である講師の意見も聞くことができました。たくさんの人の様々な意見を聞くことで自分を見つめ直し気持ちのリセットに役立ちました。そしてそれらの学びから自分の作品に繋げていくことができたと思います。人と関わり視野を広げ、その中で自分と向き合うということ、この作業が予備校時代も大学生の今になってもとても大事なことだと感じます。
大学生活
グラフィックデザイン学科は1,2年次に様々な種類の課題と基礎力をつけるための課題を大量にこなします。その中で自分の作風や自分に向いているモノやコトを探っていきます。私は決まった作風が無く、それを探りながら強みにしていきたいという思いで作品を作っていました。
そして、3年次からは選択授業を3種類選び、専門的に学んでいきます。1,2年次にたくさん取り組んだ課題によって、自分を深めることで見えてきた自分の得意なことや苦手なこと、楽しく取り組めることを頼りに授業を選びます。
美大に通うことの利点は美術や芸術に関わってる人が近くにいることやたくさんの専門的な機材や機械が近くにあるという環境だと思います。
作品を作るということへのアクセスが良く、仲間もたくさんいることで技術的な話ができたり、授業を受けたり、教授と話すことで考えを学ぶことができます。それが自分の作品に繋がるなと感じています。
この環境の中で自分を深めて作品を作れることが美大生活で貴重なことだと感じるので、それを大事に課題に取り組んでいきたいです。
受験生に向けて
大事なことは二つあると思います。一つ目は、予備校時代、人と比べずに毎回の課題に向き合うことです。人と自分の成長スピードは違うものと考え、毎回の課題を自分の目標を持って取り組む。自分のやり方やペースを見つけるこ とが近道のように感じます。その中で自分に何が必要か自分と向き合うことです。そして、もう一つ大事なことはインプットです。世の中のモノや作品、街並みや電車内などの日常を観察し、自分の描き方や作風を試行錯誤します。課題をやっていく中で上手くいかない時の理由として、自分の中に良いものの引き出しが無いからという場合も多くあります。インプットは予備校の課題にも、大学へ行ってからも大事なことになるのではないかと思います。
佐藤海斗
- 武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科
受験生活
私は、高校三年の春から立美に通い始め、二浪して大学に入りました。かなり辛い期間もありましたが、結果としてはなかなか悪くない三年間だったと思います。後悔はありません。ここでしか得られないことは確かにあって、人生という大きな括りで見ても一度立ち止まることができたのはとても重要だったと思います。技術、精神力ともに鍛え上げられました。この力は現在の制作においても大切な基盤になっています。
大学での制作
私が在籍している、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科は制作での思考プロセスを非常に重要視しています。まずデザインする対象を決定し、その対象について徹底的なリサーチや実験活動を行います。それを毎週まとめ上げ、クラス内でプレゼンし、教授からアドバイスを貰い研究を重ねるという作業を繰り返します。視デでは制作期間よりも、リサーチ期間の方が大きな割合を占めています。早い段階から完成形をイメージすることを良しとせず、対象を調べ上げた上で、その対象に最も適切だと思われるメディアで視覚化するというプロセスが視デの考え方です。そのプロセスによって表層的な美しさだけではなく、念密な裏付けに基づいた視覚化が可能になります。また、クラスメイトのプレゼンを聞くことで、普段はなかなか見ることができない他者の思考の奥底を見ることができるのでとても面白いです。展示されている作品を見たり、その解説を聞いても理解できることには限りがありますが、リサーチの段階から聞くことで得られる情報はとても膨大なものになります。没になって本来なら埋もれていく案や些細なことでも自分の思考とは全く異なるのでとても刺激になります。
受験生へ
「人の三倍努力する」これは私が受験生の頃、心がけていたことです。ここでの「人」は普通の人ではありません、めちゃくちゃ努力している人のことを指します。当然ですが全ての受験生が努力しています。そのめちゃくちゃ努力している人の三倍努力することで実力と自信をつけるようにしていました。それと同時に視野が狭くならないように俯瞰する習慣も合わせて行なっていました。自分を追い込む足し算と、一歩引いて見る引き算を上手く活用して合格を勝ち取ってください。
沓澤真也
- 武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科
受験生活で得たこと
私は2年間の浪人生活を送り、大学に入りました。技術面の習得は勿論ですが、浪人生活の中で苦しみながらも自分自身と向き合い、目に映るものに感動し観察し、日頃から物事について深く思考を巡らせるというルーティンを確立できたことこそが一番の収穫だったように思います。デザイン的な思考プロセスに分析や思考は不可欠ですし、作品を作るための力や観察力を磨くには制作中以上にそれ以外の時間の過ごし方が重要だということを学びました。
大学での制作
大学の課題に対して大学の課題らしくおさまり良く応えているだけでは意味がないと考えているので、制作期間の長い主要な課題においては求められているものは必ずおさえた上で、個人的な研究や制作目標の達成の為に自身のつくりたいものを学生ではなくいち作家としてひとつの『作品』にできるように努めて制作しています。
二年次では、必ず主題が存在しその内容を深く知るほど解釈ができ理解が深まる一方で、主題に触れようとさせるほどに鑑賞者をその内容に引き込む視覚的な美しさももつという宗教画の構造がデザインの構造と重なって感じられたことをきっかけに、課題に対して自身が見出したテーマで綿密なリサーチに基づいた本の制作とそれを主題にした絵画の制作を行っていました。そのなかで何百通りも実験サンプルを作った他、リサーチの為に大量の文献にあたったりバイト代をはたいて東北四県を巡って取材したり…と、内容を深める為に徹底したリサーチを行ったことがより良い作品を作る糧となりました。
同時に悩みも多く三年次には何をするか見通せませんが、デザイン的なプロセスによる絵画制作という個人的研究テーマはひとつこの先の主軸になるかなと考えつつ、引き続きリサーチを大切に目の前の課題や自主制作に勤しむつもりです。
大事なこと
センスなんて言葉がありますが、それらはどんな風に・どんなものを・どれだけ視てきたかによって形成されるものであって、最初から存在していることなんてまずないと思います。個性についても同じようなことが言えて、自分と向き合いながら、心惹かれるものや好奇心を刺激するものを探し集め、それらが美術や受験とは関係あろうがなかろうが深く探求し取り込むことで、生みだせるものだと思います。もしそれらが自分にないと思っているなら、これから世界の見方を変えていけばいいだけです。ぼけっとスマホを眺めながら通学するのか、あの影きれいだなぁとか金属に映った現象面白いなぁとか感じたり好きなものを分析しながら通学するのか。まずはそんなことから。技術云々よりも案外こういうことの方が大事だと私は思います。「世界にときめき続けていなきゃ作品なんてつくれない」恩師から貰った大切な言葉です。
近江谷記子
- 武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科
タチビでの毎日
小さい頃から週に一度、近所の絵画教室で絵を描くのが楽しみだった私は視デに通う先輩を見て、かっこいい!私もやりたい!と美術の世界に興味を持ち始めました。
予備校に通い始めたのは高校3年生の時。評価1つで心が沈んだり、浪人していた頃は気持ちをピンと張り詰めすぎて疲れたり、楽しかったとは絶対に言えない2年間でしたが、毎日の地道な制作が、優れたライバル達が、先生達の言葉が、環境そのものが、それまでの自分をひと回りもふた回りも成長させてくれました。
今後も私の幹となる、実りある大事な時間だったと振り返れば思います。
学校での毎日
視デでの毎日はいつも新しい発見に溢れています。
大学に入るとまずは、自分自身の身体や感覚を研ぎ澄ませるトレーニングから始まり、学年が上がるにつれ徐々に学びを発展させていきます。
対象を観察、思考を何度も行き来させながら発見をし、形にしていく作業はデザインの根幹であると私は日々、強く体感しています。
周りのものごとへの観察・発見を重ね、対象について紐解きながら制作を進めるプロセスが視デの学びそのものであり、そこに制作の楽しさ、喜びを感じます。
現在私は色彩、イラストレーションに興味を持って制作しています。
まだまだ未熟者ですが、考えること作ることは楽しいということを忘れずに、大学生活中は何にでも挑戦するぞの気持ちで、上限なく自分の興味関心について突き詰めていきたいと切実に思います。
受験生のみんなへ
地道に努力を積む期間を存分に味わってください。
受験生活の中では悔しい思い、辛い思いをする場面も少なからずやってきます。でもそんな時こそ成長するチャンスだと自分に言い聞かせ、時には心身を労りながら、粘り強く努力をして欲しいです。何枚も何枚もコツコツ自分の絵と向き合う経験は、確実に今後の自分自身を支えてくれる力や自信となります。
受験生のみんなが実りある受験生活を送ることが出来るように願っています。
近藤千晴
- 多摩美術大学 グラフィックデザイン学科
多くの学びを得た受験生活
2年間の受験生活の中で学んだことはたくさんありますが、特に私にとって財産になったと感じている学びが二つあります。
一つ目は、描き方がどうとか、技術力を上げるとか、そういったことは作品をより良くするための手段であって、それ自体は目的ではないということです。逆説的に言えば、作品をより良くしたいという自発的な向上心がない限り、どんなに経験を積んでも作品は良くなっていかないということです。
二つ目は、日々感動しながら生活することの大切さで す。帰り道に見る空の美しさであったり、葉がキラキラしている様子であったり、私たちの生活は美しいもので 溢れています。そういったことに気付けたことが、制作活動の第一歩だと知ることができました。しんどさを感じることも多かった受験生活でしたが、これからの人生の糧となる2年間だったと感じています。
大学に入って
多摩グラは、1,2年生では描写やデザインの基礎をひたすらやる、というシステムなので、漠然とした作品にならないように、自分の作風を意識して制作していました。 基礎では、本、web、立体、映像、写真、ポスターなど、様々なことをやります。
そして、3年生からは自由度が一気に高くなり、どんなものでも作ってよくなるのですが、たとえそれが立体であっても映像であっても、作品としての完成度で評価されます。その完成度を高める鍵は、1、2年生でひたすらやっていた基礎的なことなのだと改めて思います。
大学で重要なことは、自分の感性の練度を高めることだと思います。どんな表現をするかだけでなく、その表現をどこまで自分で高められるかが勝負です。
とにかく色んなことをやってみて、自分が知らない分野を探求すると、大学に行っている意義が生まれると思います。美大に行く最大のメリットは、教授だけでなく様々な専門的な知識と技術のある人がいること、同じ目標を持って競い合う仲間がいること、大学の施設を使えることの3つだと思います。特に、大学の先生は一つの分野についてずっと研究しているような人ばかりなので、話を聞くだけで世界が広がります。
大学は自分の中にある感覚を伸ばす場所だと感じています。正解はなく、自分の知識、技術、世界観をとにかく広めて、そして自分のものにして、より良い作品をつくることを日々行っています。
受験生へ
美大受験に限らずですが、大学受験ほど平等な勝負は他にありません。どれだけ時間をかけるのか、努力するのか、全て自分次第です。自分がどこまでやれるのか、力試しをする絶好の機会だと思いませんか。
私の大好きな漫画の中に「才能は開花させるもの、センスは磨くもの」というセリフがあります。この言葉を信じて、前に進んでいってください。応援しています。
小林勇斗
- 多摩美術大学 グラフィックデザイン学科
受験生活
美大受験をしようと思う人は、絵を描くことに対して自信がある人達だと思います。自分も自分の絵に自信があったし、自分の感性を信じて絵を描いていて、先生のアドバイスも聞きたくないくらいと思っていました。でも蓋を開けてみれば、自分が思っているほど自分は絵が上手くなくて、先生が言っていることも的を得ていることがわかりました。
そもそもデッサンや平面構成は、ただ絵を描くこととではないので、守るべき法則を学ばなければ上手い作品は描けないことに気づきました。デザイン科の受験では、ただ絵を上手く描くことだけが重要なのではなく、様々な要素を使って「デザインができる」ということを見た人がわかるような絵を描くことが大切です。つまり、生まれ持った感性だけでなく、デザインとはどういうものなのか、受験ではどんな絵が求められるのか学ばなければ、受験において上手な絵を描くことはできないのです。
それに気づいた私は、先生のアドバイスを聞くようになり、自分は絵が上手いという過信も無くなりましたが、結局現役の時はあまり評価されずに受験に失敗してしまいました。現役の時はその法則を身につけるのに必死で、テーマに対する答え方や表現技法などは疎かになってしまっていたので、浪人中は自分の作品にとにかく個性を与えることに必死でした。
平面構成ではとにかくサイケデリックな色を使って、どんなモチーフも違う色で描いたりしていましたが、ただ見かけが派手なだけで、その色使いが作品の良さに繋がっていませんでした。 なかなか表現方法がまとまらず焦り始めている時、金子先生のある一言で自分の作風に迷いが無くなりました。それは「俺を驚かせてほしい」という言葉でした。それからは毎課題、その言葉を意識して作品を作っていましたが、今思い返すと、見た人を驚かせることは受験だけでなく、大学や仕事での作品作りにも通ずることだと思います。驚きにもインパクトへの驚き、繊細さへの驚きなど色々ありますが、見た人がびっくりする「やり切り感」が大切なのだと思います。
試験の直前に何課題も上手くいかずスランプになったりしましたが、とにかく自分に自信を持って本番に挑みました。目標にしていた多摩グラに受かることができました。
大学生活
多摩グラは、1,2年生では描写やデザインの基礎をひたすらやる、というシステムなので、漠然とした作品にならないように、自分の作風を意識して制作していました。 基礎では、本、web、立体、映像、写真、ポスターなど、様々なことをやります。
そして、3年生からは自由度が一気に高くなり、どんなものでも作ってよくなるのですが、たとえそれが立体であっても映像であっても、作品としての完成度で評価されます。その完成度を高める鍵は、1、2年生でひたすらやっていた基礎的なことなのだと改めて思います。
大学で重要なことは、自分の感性の練度を高めることだと思います。どんな表現をするかだけでなく、その表現をどこまで自分で高められるかが勝負です。
とにかく色んなことをやってみて、自分が知らない分野を探求すると、大学に行っている意義が生まれると思います。美大に行く最大のメリットは、教授だけでなく様々な専門的な知識と技術のある人がいること、同じ目標を持って競い合う仲間がいること、大学の施設を使えることの3つだと思います。特に、大学の先生は一つの分野についてずっと研究しているような人ばかりなので、話を聞くだけで世界が広がります。
大学は自分の中にある感覚を伸ばす場所だと感じています。正解はなく、自分の知識、技術、世界観をとにかく広めて、そして自分のものにして、より良い作品をつくることを日々行っています。
受験生へ
美術に才能は無いです。自分がどれだけ好きか、どれだけ考えられるかで、良い作品が作れるかどうかで変わると思います。しかし、美術大学も大学なので、良い作品を作ることと受かるかどうかは必ずしも直結しません。
志望学科ではどんな能力が求められているのか。教授が見てどうなのか。周りの受験生の絵と並んで負けないか。デザインとしての基本的な要素は満たしているか。魅力的か。自分で良いと思えるだけではなく、客観的に見て魅力を感じる絵なのか、周りの人より良いと思われる絵にできているのか、考えてみてください。
客観的に見ると言っても、何が良くて何が良くないのか分からないと判断のしようがありません。 表現方法、色使い、構成など何でもそうですが、インプットが無いとどんな形、色で描けば正解なのかわからないと思います。ですからとにかくタチビの参考作品や世の中のデザインや絵画などを見て、分析して、アウトプットすることが大切です。インプットとアウトプットの数をこなすことが1番早く上達する方法だと思います。
最近、自信を持つことの重要性を感じます。 自信は、たとえ偽りだとしても自分を動かす原動力になります。周りの人たちと自分を比べて自信をなくしてしまうこともあると思いますが、自分の描く世界に自信を持って進んで欲しいです。皆さんを応援しています。
北川凜子
- 多摩美術大学 グラフィックデザイン学科
受験生活
私は高校3年の冬期講習会から立美に通い始め一浪して大学に入学しました。現役時代はまわりがめきめき上達していくのに対し自分は受験直前になっても何をどう描けばいいのか分からないままあっという間に受験の日が来てしまいました。浪人することになり授業が始まってからも正直よくわからないままでした。しかし現役時代とは心構えが変わり漠然とした焦りのようなものはあまり感じませんでした。一度受験で失敗してるのでこれ以上の失敗はない、と肩の力が抜け課題ごとの失敗を恐れずに、のびのびと課題制作に取り組めました。それにより、現役の頃は参作ばかり見て受験の作品はこんな感じなんだと凝り固まっていた考え方が、受験でも何をやっても良いんだなという考え方に変わりました。現役時代は考えすぎて上手くいかない事も多かったのですが、気持ちの持ち方を変えられた事で浪人時代は色々と試せる一年になりました。
大学生活
大学ではすでに作品の世界観が出来上がっている人や、どんな課題でも器用にこなしてしまう人が沢山いて驚かされてばかりです。
自分にないものを持っている人たちを見て刺激を受け自分も頑張ろうとやる気が出る反面、自分には何が出来るんだろうと悩むこともありました。三年になると自由度が増すことで授業で作れるものの幅が広がりました。それにより自分に出来る出来ない関係なく、やってみたい作ってみたいという気持ちに従い、とりあえず手を動かしてみるのも大事なことだと感じました。最初はただ好きとか楽しいとかだったものが、受験とか課題に追われる中で、やらなければいけないことに変わっていき、苦手な事が目に見えてくるばかりで学生が終わったら何をすれば良いのだろう、何がしたいのだろうと度々不安になっていました。しかし、悩むくらいなら何も考えず好きなことをしようと開き直り、やりたいことをやっていると自分がこれから何をしていきたいのかが少しづつ分かってきたように思います。忙しかったり、評価が気になったりと大人になるほど忘れがちになりますが、作ることが好きとか、楽しいとかいう気持ちは、疎かにするものではないなと最近になって実感しています。
受験生へ
上手い人を見て自分も負けないとモチベーションが上がる人、比べてしまい自分にはできないと落ち込んで前に進めなくなる人、こんな場面以外でも受験期の気持ちの持ち方は人それぞれだと思います。自分はどういう傾向があるのかを理解しておけると過ごしやすくなると思います。逆境がモチベーションになる人はその気持ちを活かせるよう自分で目標を高く設定したり、落ち込みやすい人は今の自分は練習中、上手くないのは当たり前、だから上手くなれるように頑張ると開き直ってみたり、これらは一例ですが自分の気持ちの傾向を理解した上で、その気持ちとどう向き合えば良い方向にコントロールできるかを少し考えてあげると課題を楽しむ余裕もできてくるかと思います。