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タチビ祭 受賞作品紹介

日本画科

2023年9月23・24日の二日間で、今年もタチビ祭が開催されました。
油絵科・日本画科では、生徒や講師だけでなくご来場のお客様にもお好きな作品にご投票していただき、入賞作品を決定しました。
ここからは日本画科の上位入賞作品を紹介させていただきます。

◎1位のタチビ大賞は、夜間部の自由制作でした


作者コメント

「共生」と「寄生」というテーマで作品を制作しました。

「共生」では、爬虫類のアカメカブトトカゲと食虫植物のウツボカズラをモチーフにしました。どちらも熱帯雨林に生息し、主に虫などから栄養を得ている生物です。
互いが共生することで、夜行性のトカゲは日中にも光合成で栄養を得られるようになり、ウツボカズラは、トカゲの足で動き回って効率的に虫を補食できるようになるという、互いに利益の生まれる関係になっています。

一方で「寄生」ではワニガメと様々な種類のカエルをモチーフとして描いています。
寄生には、一方的な侵食のイメージがあるので全体的に少し不気味でおどろおどろしい雰囲気を出し、共生とは対比させる工夫をしています。
ですが宿主が死んでしまっては寄生生物も生きてはいけないので、血などの直接的な傷の表現は避けるようにしています。

講師コメント

よく練られたコンセプトと、圧倒的な完成度でとても目をひく作品です。
「寄生」では墨のにじみや箔のきらめきなどの絵肌の変化も画面の迫力や不気味な表情に繋がり、密度のある描き込みと抜けのある余白のバランスは作品の完成度をより一層高めています。日頃から様々なことに関心を持って積極的に制作を行っていることが感じられる作品です。

◎2位は昼間部の着彩大作です

講師コメント

ゴミ捨て場をイメージしたようなモチーフセットにこだわりを感じます。
昼間部らしい力強い描写でかっちり仕上げました。

◎3位は昼間部の自由制作です

「め・ぐ・る」

講師コメント

蝶をメインモチーフにし、宙に浮かせて展示しました。
展示状況のインパクトが強いですが、作品自体はとても繊細な仕上がりで、パネルの側面処理など細かな部分への気遣いにセンスを感じる作品です。

以上が日本画科の入賞作品でした。

仕上がるのか…と心配になるほど全員がギリギリの制作状況でしたが、なんとか展示できる状態までたどり着いて安心しました。
タチビ祭制作に関しては、作品のサイズ、テーマ、技法などそれぞれ自由に決めることができます。
それゆえに完成度は各々の意識の高さや熱量に任されるところがあります。
受賞の有無に関わらず、悔いなく自分の力を出し切った作品が作れた人は、今後もその熱量を持って受験に挑んでいきましょう◎
いざ展示期間を経て、もっとできたな…と思った人は、その思いを糧によりいっそう身を引き締めて今後の制作に全力で取り組んでいきましょう。

日本画科講師